現在、市販されているパソコン用のインクジェットプリンターには、染料インクと顔料インクの2種類が存在しますが、現在のようなカラーのインクジェットプリンターが登場した時から採用されていた染料インクに比べ、顔料インク搭載機の歴史はまだ10年ほどです。
エプソンから発表された、ハイエンドなプレステージモデルのプリンターPM-4000PXに顔料インクが搭載され、2種類の黒を交換することで、多用途に応じたインクチェンジシステムを実現したモデルでした。
※顔料インクを初めて搭載してエプソンのフラッグシップモデルとして登場したPM-4000PX
しかし、顔料インクが染料インクにとって変わられると言うことではなく、顔料インク開発の技術は、染料インクへとフィードバックされ、染料インクの品質も向上したことで、顔料インクと染料インクのモデルがラインナップの中に混在するようになりました。
顔料インクの登場は、エプソンだけでなく他社にも普及し、徐々に特性を活かした用途に応じたプリンターで使い分けされるようになってきています。
耐水性が有りにじまない顔料インクは、ビジネス文書の印刷に重宝され、色が混ざりやすく諧調性が豊かになる染料インクは、写真プリントに適正があることから、現在では文書印刷中心の4色モデルは顔料インクで、写真印刷を中心としたカラー6色(又は7色)モデルは染料インクという棲み分けが出来るようになりました。
近年では、モデルごとにばらばらだったカートリッジも徐々に共用化され始めたので、同じメーカーで同様の用途に使うプリンターの場合、インクをそのまま持ち越せるようになってきています。
文書だけでなく、写真や年賀状の印刷を行う一般的な家庭でのプリンターは、染料インク、仕事の文書や資料の印刷が中心の場合は顔料インクという使い分けがベストだと思います。
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